3Dプリンータでロボットのパーツ作成

3Dプリンターについて

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3Dプリンターはちょっと前までは世の中を変えるかもしれない技術としてかなり話題になりましたが、だいぶ今は落ち着いている気がします。メディアが飽きたということもあると思いますが、何でも作れるという印象は幻想だったことにみんなが気づいたからだと思います。3Dプリンターは何でも作れると思っている方はたくさんいらっしゃると思いますが(銃まで作ったという話題は覚えている方も多いと思います。)実は作るものを選びます。作れるものと作れないものがあります。またすぐにものを作れるという風に思っている方も多いと思いますがそんなことはありません。今回のロボットで使う部品でも8時間くらい必要なものがあります。綺麗にできると思っている方がたくさんいらっしゃると思いますがそんなことはありません表面は製造方法の都合ででこぼこしています。ツルツルにするためにはかなりの時間をかけて手作業で仕上げる必要があります。でもそんな制約って他の製造方法もありますから同じです。得意不得意が十分理解して部品設計して作れば良いということになります。あと最近では5万以下の低価格な3Dプリンターも販売されていますのでハードルがだいぶ低くなってきました。そして私が重視したいのが騒音です。3Dプリンターはファンの音などまあまあ音がしますが、アルミの板を電動糸ノコでガリガリ切ったり、板を曲げるために金槌でカンカン叩くよりは相当静かです。これなら会社から帰ってきても夜中に部品製作しても近所からクレームが来ることは避けられます。(ファンの音で家族からクレームが来るかもしれませんがご近所より説得しやすいでしょう。)なるべくローコストをコンセプトにしていますがここは投資しても損はないと思います。

3Dプリンターで作りにくい部品とは

FDM説明一般的な低価格な3DプリンターはFDMという方式です。これは熱で溶かした樹脂を小さなノズル(穴)から出して下から積層していくものです。

サポートについて

レンガで橋を作ることを想像してください。下から積み上げていくと橋桁と橋桁の間は支えがないためレンガが落っこちてしまいます。レンガで橋を作る場合にはアーチ状にするか支えを置いた上でレンガを積み上げてモルタルが固まった上で支えを外すという作業が必要です。

サポート説明1サポート説明2

これは3Dプリンターでも同じで宙に浮いたものはそのままだと作れないのである程度の角度のアーチに形を修正するか、サポートと呼ばれる支えを一緒に造形して後で支えを取り外すという作業が必要です。このサポート材はある程度、手でパキパキと取れたりするのですが、3Dプリント用の素材であるPLAの場合は結構硬いので綺麗に取るにはやすりで削ったりするのが結構大変です。

サポート説明3サポート説明4

サポート説明53Dプリンターは先ほど書いたように下から積層して造形しますが、造形中に宙浮いてしまう構造はやはり造形できないのでサポートを追加することになります。一般的なノズルの径は0.4mmで積層ピッチは低価格な機種は0.1mmくらいが一般的です。したがってこれより細かいものは作れません。何となく形ができますがつぶれた感じになります。また薄いものも得意ではありません。ある程度の厚みが必要です。薄すぎると裂けるチーズみたいになってしまいます。

ラフトについて

あと底面積に対して高さのあるものは出力中に微妙に倒れてしまうことがあります。また逆に底面が広くて薄いものは反り返ってしまうことがあります。この辺をある程度の解消するものがラフトといものです。ラフトとはイカダといういみらしいですが、造形物の底面に薄く広くて一枚置いて出力します。これも後で手でパキパキと外します。これも面積が広いと外すのが意外と大変です。

ラフト説明1ラフト説明2

ラフト説明3ラフト説明4

サポートとラフトの実際の例

このような3Dプリンターの癖を十分理解した上で部品の設計することが重要です。なるべくサポートやラフトを付けなくても図形できる設計がポイントとなります。

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